フォステクス PA-2 レビュー その2 インプレッション & 評価
約一ヶ月にわたってみんぽすさんからお借りしていた、フォステクスのアクティブスピーカーPA-2。
まずは、この一ヶ月の間に製品ページができたというお知らせをみんぽすさんからいただいていたので、そのリンクを。
http://www.fostex.jp/products/PA-2
製品特徴については、レビューその1で書いているし、上のリンクにもあるのでここでは繰り返さない。
簡単に書くと、キュートな外観だけど中身は本格派。
左右完全に独立した同一品としているので、アンプも左右それぞれ、さらにウーハーツイーターもバイアンプで独立駆動としている。
それでは、これまで使用してきた感想を書いていきたい。
前回のファーストインプレッションでは、最初にREGZA のヘッドホン出力から付属のボリュームコントロール経由で聴いてがっかりしたものの、その後、RCA出力を左右それぞれのスピーカーにダイレクト入力して、なかなか繊細な描写力と迫力ある音の厚みに感心した。
その後、テレビやDVD、iPod 等と組み合わせていろいろ楽しんだ。
まず、テレビやDVD等の映像との組み合わせ。
写真の映像は、最近再びマイブームとなっている LOST シーズン2より。
う~ん、我が家の標準が5.1chで組んであるだけに、この PA-2 のみでの 2ch の音では物足りないというのが正直なところ。
音自体は悪くない。口径 100mm のウーハーでも低音はそこそこだし、高音域も濁りなく澄んでいる。
台詞もはっきり聞こえるし、全体的にクリアな感じがあるし。
しかしながら、この画面両脇に置いた配置では、なんとなくぼんやりしてしまうというか、センタースピーカーがないことでの定位感に頼りなさみたいなのを感じる。
けど、これはこのスピーカーの実力というよりも、2ch と 5.1ch の差だろう。
これでしばらく聴いていると、そんな違和感はだんだん薄れてくる。
少なくとも、テレビ内蔵スピーカーとは比べるべくもない。
レビューその1の最後に書いていたRCAから左右スピーカーへの直接接続だが、映画やドラマのように一度音量を決めてしまえばそのままでいいのだが、テレビ放送を楽しんでいると、CM に切り替わる前後の音量変化とかでボリューム調整は意外と使うので、それぞれのスピーカーについているボリュームを各々調整というのが非常に面倒くさい。しかもボリュームは背面にあるし。
ということで、RCA-ステレオミニプラグ変換ケーブルを購入し、付属のボリュームコントローラーを接続。
ボリューム回路が二段になることでの音質劣化を心配していたが、意外とこれが大丈夫。
レビューその1でいまいちだったのは、どうやら REGZA のヘッドホン端子からの出力が良くなかったようだ。
まあこれで、操作性はとりあえずの最低ラインにはたどり着いた。
iPod でも試してみる。
接続は、iPod nano のヘッドホンジャックから付属のボリュームコントローラに接続し、そこから左右のスピーカーへ。
過去にレビューさせてもらった iPod ドックを備えたオーディオ機器と比べると、やはり比べるべくもないものの、映像ソースよりは格段に聴き心地がいい。
特に、リスニングポジションをきちんと考えて、自分とスピーカーが正三角形を結ぶような位置で聴くと、より音場の広がりを感じることができる。
これが、オーディオ出力を備えたドックからの接続だと、また状況が変わってさらに改善されるのではないかと思う。
やっぱりヘッドホン端子からの出力というのはねえ...
全般的に、スピーカーに強みを持つフォステクスの製品にふさわしい実力を持っていると言える。
純粋なオーディオソースのリスニング用、あるいは、パソコンくらいの小さめの画面であれば映像ソースとの組み合わせでもいいかもしれない。
我が家でも、2階でたまに使っている22インチのテレビと組み合わせれば、もう少し印象も変わったかもしれない。
では、恒例の個人的独断による自己採点を。
性能;8点
ちょっと辛めでこの点数。
悪くはないが9点とするほどではないかな、と。小数点以下までつけるとすると8.5点くらいの印象。
左右が完全同一となる音響性能のために、左右同一製品としてアンプもそれぞれに持たせ、さらにそれぞれバイアンプとしていたり、ボリュームまでそれぞれにつけるこだわりようではあるが、そのわりに、操作性のためのボリュームを別に付属させたり、その付属ボリュームの入力はミニプラグだったり、ちょっと疑問に思う点も。
機能;6点
まあ、スピーカーなので、機能も何も音を出すことがすべてで。
あとは、TONE コントロールを付けるかどうかくらいか。(本製品にはなし)
操作性;2点
いやいや、これは論外でしょう。
音へのこだわりだかなんだか知らないが、付属のボリュームコントローラーを付けたり、左右同一品ながら片側だけの販売はしていなかったり、なんだか製品思想に矛盾が見えて、それがたまらなく残念。
左右セットで販売するなら、ボリュームコントロールくらいもっとスマートに本体にうまく組み込んでほしかった。
デザイン;5点
パステルカラーのボディは女性うけするかもしれないが、女性が積極的に手を出すような商品かというと疑問。
なんとなく、安っぽく見えちゃうんだよなあ。
本体の中央についている LEDランプも何のためにあるのか不明。
やばい、だんだん辛口になってきた...
コストパフォーマンス;7点
少々マニア向けのメーカーの製品だからか、大手家電量販店のサイトではみつからず。
アマゾンでは、20,000円程度。
性能を考えるとお得といえると思う。
スピーカーって、決して安いものじゃないので。
総合;28点
なんだか中途半端な点数になってしまったが、悪い製品ではないと思う。
しかしながら、如何せんこの製品のコンセプトやターゲットとしている客層がサッパリわからない。
このデザインからして、女性向けに作ったものだということは想像できる。
しかし、こういうデザインを好む女性がボリュームひとつ変えるのにそれぞれのスピーカーの裏側を毎度毎度左右のポジションを見比べながら操作するだろうか?
操作性のために付属しているボリュームを入力前段に置くことは、音へのこだわりに対してアリなの?
まあ私の耳くらいではこれによる音質劣化は感じなかったが、だったら一般的な片側アンプのアクティブスピーカーでも多くの一般的な客に対してはいいんじゃないの?
そもそもステレオのソースが左右独立した音を出すためのものなので、左右の音の差なんてそれがはっきりあるようだと製品として問題だと思うし、そこまで気にする人はそれなりのアンプにそれなりのパッシブスピーカーをつないで聴くと思うし。
付属ボリュームコントローラの入力がミニプラグのみというのは、ヘッドホンステレオやパソコンとの接続を想定しているようだが、パソコン用のスピーカーにこんな大きさのものを使うかなあ?
と、お借りしていた最初から最後まで、いろいろな点で矛盾を感じ疑問符がついて回る製品だった。
これはなんとなく想像だが、技術側が音にこだわる自信を持った製品を作ったけど、営業側から、「マニアだけでなく女性にもうけるように」とか「ボリュームが左右独立なんて使いにくいからなんとかしろ」とかいろいろ要求が出て、そんなしがらみにまみれて生まれたのではないかという気がする。
とにかく、もったいないの一言。私の感想はこれに尽きる。
この記事へのコメント
ただ、せっかく女性向けなら角張った長方形より、
丸みを帯びた長方形にはならないんでしょうか(^^;
このジャンルのスピーカーはけっこう出てるようですから、
あれこれ選べて良いですね。
junkoさん、
色だけ女性向けにしたみたいなのが中途半端な気がして残念です。
女性をターゲットとするなら、もっと割り切ったコンセプトが必要に思いました。
ナツパパさん、
アンプ内蔵のアクティブスピーカーはいろいろありますが、これは間違いなく最高ランクに近いところに位置すると思います。
ただ、そういう製品の多くはパソコンやポータブルオーディオとの組合せを狙っているものであると思うので、このサイズは逆にネックとなるかもしれません。
kakasisannpoさん、とみっちさん、きむたこさん、Lionbassさん、めぎさん、ユミさん、またじさん、nice! ありがとうございます。
私もそんなにわかるわけではないですが、それでもいい音は心を震わせてくれます。
このスピーカー、なかなかの実力ではあるのですが...
心如さん、da-kuraさん、nice! ありがとうございます。
情報ありがとうございます!
リュカさん、Jalanaさん、nice! ありがとうございます。